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ステロイドテープ剤の特徴とその適応

ステロイドテープについて、特徴、処方されるときの患者さんへの説明、適用などについて、安部正敏先生にお話しを伺いました。

ステロイドテープ剤の特徴とその適応

Qステロイドテープ剤の特徴についてお話しください。

ステロイドテープ剤はご承知の通りODT(Occlusive Dressing Technique)療法を、日常臨床でやりやすくする利便性を高めた製剤だといえます。軟膏やクリームなどの吸収が悪い部位や、鱗屑が顕著な局面、苔癬化した病変などに有用ですが、われわれ皮膚科専門医の視点では、ステロイドテープ剤は、単位面積当たりの含有量が等しく決まっているので、皮膚科医が使用量をきちんと決められる、というところ も見逃せない特徴であると考えています。 われわれ皮膚科医は患者さんに外用剤を処方するときに、保湿薬と副腎皮質ステロイド軟膏を混合したり、亜鉛華軟膏と副腎皮質ステロイド軟膏の上に重層したりします。ステロイドテープ剤は、そういった治療法の一つですが、外用薬のなかで、皮膚科医が使用量を決められ、的確に把握できる、貴重な薬剤だと言えます。 また、結節性痒疹などで使うときなどには、患部に合わせて切って貼るので塗布範囲が決められる、余分なところに作用が及ばない、効果にバラツキが出ないというのも、特徴だと思います。

もちろん患者さんにとっては、「貼るだけでいいので簡便だ」「使っても痛くない」といった意見に代表される“高い利便性”がテープ剤の最たる特徴だと思われますが、加えて皮膚科専門医は科学的根拠によりテープ剤を選択することが多いものと考えられます。

患者さんへステロイドテープ剤を処方する際の説明 は、まず密封療法のメカニズムを簡単にご説明します。例えば、「軟膏をサランラップなどで密封すると吸収が良くなって非常に効果が高まって良くなります。この皮疹はそういうことをなさった方がよりよくなります。現在、軟膏がテープと一体となった薬剤がありますので、ご使用になられてみますか?」とお話ししたうえで、ご同意を得られれば看護師により詳細に外用指導をしてもらって、患者さんの理解を得るようにしております。

Qステロイドテープ剤の適用について、先生のご経験からのお話しをお聞かせください。

ステロイドテープ剤の適用ですが、私の場合、あくまで皮疹のタイプに応じて選択しています。テープ剤だからこそ効果の得られる皮疹、例えば、結節性痒疹やケロイド・肥厚性瘢痕、手掌や足底など薬剤の吸収の悪い部位には最適ですし、患者さんが掻破してしまいそうなところを保護する観点で使う場合もあります。
アトピー性皮膚炎や乾癬でも、同じように皮疹のタイプに応じて、痒疹や苔癬化局面、あるいは、掻破や摩擦を防止したい患部などに積極的に使っています。

この記事は2018年11月21日にインタビューしたものです。

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